ロシアによるウクライナ軍事侵攻から4年。ウクライナでは戦闘が続く中、今も多くの人々が厳しい生活環境で暮らしています。AAR Japan[難民を助ける会]は、現地協力団体と連携して、障がい者への支援や地雷対策などの活動を行っています。
・寄付金は、プロジェクト終了の翌月か12月中旬のいずれか早い方に活動団体へ寄付致します。
ウクライナ緊急支援 AAR Japan[難民を助ける会]
https://lp.aarjapan.gr.jp/support_future
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AARは、紛争や災害など自分ではどうすることもできない理由で困難に直面しながら生きる人々を支えます。
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活動報告
特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR Japan)
1979年にインドシナ難民支援を目的に日本で発足した、認定NPO法人です。
政治・思想・宗教に偏らずに活動することを基本理念としています。これまでにインドシナ難民、シリア難民支援、ロヒンギャ難民など40年余りの活動実績があります。困難な状況下にある人々の中でも、特に弱い立場にある方々へ、長期的な視点をもって支援していくことを重視して活動しています。
https://aarjapan.gr.jp/
【ウクライナ難民支援のレポート】
https://aarjapan.gr.jp/report/?country=ukraine,moldova
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ロシアによるウクライナ侵攻から4年。ウクライナ南部のミコライウ州では、地雷・不発弾の危険に加え、ミサイルやドローン攻撃の脅威が、人々の日常を脅かしています。AARは2026年3月から、現地協力団体「The Tenth of April(TTA)」とともに、地雷や砲撃、ドローンの危険から命を守る行動を伝える「リスク回避教育」の活動を始めました。4月に現地でスタッフへの研修を行った、地雷対策担当の紺野誠二が報告します。
深刻化する民間人被害
ウクライナは、地雷や不発弾による汚染が世界で最も深刻な国のひとつです。同国の統計によれば、2022年2月から2026年4月10日までに1,029件の事故が発生し、1,439人が死傷しました。記録されない被害も含めるとさらに多いと考えられます。
被害者の約1割は子どもですが、半数近くに上ることもあるアフガニスタンなどに比べると割合は低く、子ども向け回避教育は比較的進んでいます。一方、成人には酒に酔って手榴弾に触れるなど、防げた可能性のある事故も少なくありません。
加えて、急速に被害が深刻化しているのが「ドローンによる地雷の散布」です。ロシア軍のドローンから小型の対人地雷(PFM-1:ちょうちょ地雷)を投下するケースが増えています。前線から遠く離れた地域にも地雷被害が広がる深刻な問題です。
「知っている」と「行動できる」の差
今回の出張では、TTAの地雷回避教育チームを研修しました。伝えたかったのは、地雷の種類ではなく、被害に遭わないための行動を伝えることこそ回避教育で最も重要だということです。被害に遭わないために必要なのは、リスクの高い地域を感知する力です。どくろマークだけでなく、地元の人が設置した「地雷」の看板などにも注意を払うことが重要です。さらに、知識を行動につなげ、「大丈夫だろう」と危険に近づかない意識を持つことが欠かせません。講師が受講生と対話を重ね、納得を引き出すことが重要であり、研修ではその手法について考えてもらいました。
レポートはこちらからもご覧いただけます。
https://aarjapan.gr.jp/report/21873/
写真左:実際に体を動かして身を守る方法を伝える紺野誠二(右)(2026年4月7日、ウクライナ南部ミコライウ州)
写真右:空襲警報を伝えるスマートフォンアプリの画面 (2026年4月8日、ウクライナ南部ミコライウ州)
2022年2月のロシアによるウクライナへの軍事侵攻から4年がたちました。事態が収束する兆候はなく、ウクライナから国外に逃れている難民の数は、590万人に達し、国内においても約370万人の国内避難民が厳しい状況に置かれています。AAR は、ウクライナ国内および隣国のモルドバと日本で難民・避難民のニーズに合わせた支援を行っています。
■地雷・不発弾の被害者やコミュニティーの支援、そして困窮する障がい者や高齢者への支援
ウクライナでは、地雷や不発弾などによる事故が多発しています。しかし、軍事費が優先される中で福祉予算が削減され、戦争で傷ついた人々への十分な支援が行き届いていません。また、福祉サービスに頼っていた障がい者や高齢者も困窮しています。AARは、2025年度、地雷・不発弾被害者とその家族1,295人に対して、リハビリテーションなどのサービスを提供するとともに、侵攻の影響を受けている障がい者と高齢者190人に医薬品などを提供しました。また、英国の地雷除去 NGOと協働して、住民6,456人 に対して、爆発物回避教育を実施しました。AARは、現地の団体と協力し、地雷・不発弾被害者と障がい者や高齢者を対象に支援を継続します。また、地雷・不発弾により危険にさらされている地域の住民を対象にリスク回避教育を提供します。
■モルドバで、ウクライナ難民および難民を受け入れる地域コミュニティーへの支援
ウクライナの隣国モルドバには、2026年2月時点で約140,000人のウクライナ難民が滞在しています。雇用機会や住宅の問題に加え、難民の中には障がいや慢性疾患などがある人もいて、医療へのアクセスが喫緊の課題となっています。AARは、ウクライナ難民および難民を受け入れているモルドバの、特に弱い立場にいる方々を対象とした医療・社会的支援を、現地協力団体とともに実施してきました。2025年度では、ウクライナ難民143人とモルドバの地元住民75人に対して、診療活動および医薬品の処方を実施しました。今後も引き続き、モルドバで同様のサービスの提供を実施します。
■来日ウクライナ避難民支援
ウクライナから2,000人以上の方が日本に避難しています。言葉や就労、教育など多様化する避難民のニーズに対応するために、サポートを続けています。姉妹団体である社会福祉法人さぽうと21と協働で実施しています。
写真左:AARが病院に提供した肩関節の可動域を広げるリハビリ機器(2026年1月、ウクライナ南部ミコライウ州)
写真右:戦闘で破壊された家屋(2025年11月、ウクライナ南部ヘルソン州)
ロシアによるウクライナ軍事侵攻から4年。AARは、現地協力団体と連携して、障がい者への支援などの活動を行っています。
戦禍で苦しむガリーナさん
ミコライウ州に暮らすガリーナさん(64歳)は、自らも障がいを抱えながら、寝たきりの母親と、夫とともに暮らしていました。侵攻後、ガリーナさんが住む村では、連日のように砲撃が続きました。一時的に村が占領され、武装した兵士から脅迫を受けるなど、命の危険を感じる体験をしたこともあります。
戦況が悪化した際、ガリーナさん家族は西部テルノーピリ州へ避難しましたが、慣れない環境と移動の負担から、母親が避難先で亡くなりました。その後、故郷へ戻りましたが、自宅は損壊していました。支援団体や近隣住民の助けで自宅を修復し、生活を再開しましたが、ガリーナさん自身も障がいと慢性的なストレスで、心臓の不調や高血圧、経済的な理由から歯科治療を受けられず、健康状態が悪化していました。
こうした状況を受け、ガリーナさんに対して、AARと現地協力団体は、診察や投薬、歯の治療などの医療支援を行いました。ガリーナさんは、「生き延びる機会を与えてくれて、心から感謝しています」と話します。
ウクライナでは、ロシアの攻撃によって、毎日のように停電や移動の制限が発生し、安全、医療、水、情報など、生きるために必要なものが奪われています。現地協力団体のスタッフであるセルゲイさんは「侵攻が始まってから、人々が必死に生きる姿と、困難に耐える苦しみを目の当たりにしてきました。特に、障がい者を支えることが、私の使命だと思っています」と話します。
ウクライナにおいて人道支援を必要とする人の数は、2022年の290万人から1,080万人に膨れ上がりましたが、国際社会からの援助は不足し、十分な支援が届いていません。人々が希望を失わずに困難に立ち向かう力を取り戻せるよう、AARのウクライナ人道支援にご協力をよろしくお願い申し上げます。
レポートはこちらからもご覧いただけます。
https://aarjapan.gr.jp/report/21103/
写真左:支援物資を受け取ったガリーナさん(2025年4月、ウクライナ南部ミコライウ州)
写真右:現地協力団体のフィールドチームのメンバー(2025年7月、ウクライナ南部ミコライウ州)
ロシア軍の侵攻から4年近くが経った今も、終わりの見えないウクライナ紛争。長引く戦時下で、人々はどのような日々を送っているのでしょうか。ウクライナ南部ミコライウ州を出張で訪れた東京事務局の紺野誠二が、現地で見た光景や出会った人々の言葉から、その実情をお伝えします。
支援者側に蓄積する疲労
ウクライナでは今も激しい戦闘が続き、毎月数百人の死傷者が生じています。比較的平穏が保たれているミコライウ州でも、前線に近い地域では、毎日のようにドローンによる攻撃が行われています。
悲惨な状況があまりにも長く続き、米国をはじめとする国際的支援も大幅に減っている現状から、私が会った人々は痛みやストレスからは逃げられないという、諦めや無力感に強く苛まれているようでした。抑うつや深い孤立感、突然のパニックなど多くの方が深刻な心の問題を抱え、支援の必要性は極めて高いはずですが、人々の間には心のサポートを受けることにすら抵抗感が出てきているようでした。
支援する側にもかなりの疲労が蓄積しています。協力団体のスタッフは、北関東を合わせたほどの広大な面積を持つミコライウ州を駆け回り、高齢者や障がい者に医薬品や装具などを届け続けています。しかし、彼ら自身もまた、軍事侵攻の影響を受けて苦しんでおり、過酷な状況の中で支援を続ける姿には、本当に頭が下がる思いでした。
少しでもクリスマスに幸せを
「シェルターは地下にあります」。ホテルに到着して、フロントの女性が真っ先に案内したのは避難場所でした。旧ソ連時代に作られたシェルターが、再び人々の避難先となっていました。客室に入ると、「お客様へ。敵対行為により、ミコライウ市の水道水は料理や飲料としては使えません」との注意書きが置かれていました。
街では毎朝9時になると、出勤途中の人々は足を止め、軍事侵攻で亡くなられた人々を追悼します。ホテルの近くでは、男性がトランペットでウクライナの国歌を演奏していました。
いたるところでクリスマスの準備が進められていました。ウクライナでは、以前はロシアと同じく1月7日にクリスマスが祝われていましたが、2023年からは西側諸国と同じ12月25日に変更されています。停電が頻発するため、商店の前に置かれた発電機が大きな音を立てていますが、雑貨屋などでは可愛い飾り物が売られていました。戦禍や厳しい冬の中にあって、少しでもクリスマスの幸せを感じたいという、人々の切実な思いを見た気がしました。
戦時下の心を癒す憩いの場
AARが現地協力団体と協力して運営しているミコライウ市内の「コミュニティハウス」では、利用者の方々が私を温かく出迎えてくれました。ここでは、戦地となった故郷から逃れ避難生活を送る女性や高齢者、障がいのある方々が気軽に集まって話し合ったり、心理カウンセリングを受けたりすることができます。
女性グループが楽しそうに談笑していたので、「もっと気軽に足を運んでもらうにはどんな活動があるとよいと思いますか?」と尋ねてみました。すると、「絵を描いたり、編み物をしたり、簡単なエクササイズもいいですね」と次々にアイデアを出してくれました。一人が「歌もいいわ」と言うと、大きな合唱が始まりました。どこか懐かしい歌だと思ってよく聞いてみると、1963年に日本でヒットした、ザ・ピーナッツの「恋のバカンス」でした。
ここには、心身が傷ついていない人はいません。みんな、それぞれが、深い課題を抱えています。それでもこのひととき、戦争のストレスから解放されているようにも見えました。コミュニティハウスに来て、少しでも気分が軽くなり、日々を過ごす力になっているのなら、これに勝る喜びはありません。
ウクライナの置かれている状況は依然として厳しいままです。そのような中でも、人々の心の灯となるような活動を続けていきたい――。その思いを新たにしました。
写真左:ミコライウ市内の街角(2025年11月、ウクライナ・ミコライウ市)
写真右:AARが支援する「コミュニティハウス」を利用する女性たち(上)とそこで開かれているワークショップ(下)(2025年11月、ミコライウ市)